熊本地震で最大の被災地であった益城町には、町内に18ヶ所で約1550戸の仮設団地がありますが、その中で県内最大の仮設団地が「益城町テクノ仮設団地」です。約510戸の仮設住宅に約1300人の方が暮らされています。
地震からすでに一年近く経とうとしています現地を訪れてみました。
応急仮設だから仕方ないのかもしれませんが、色味も暗く無機質なプレハブの仮設住宅が、広大な敷地に整然と立ち並ぶ姿にはしばし呆然とします。人けもまばらで、寂しい印象だというのが率直な感想です。住棟配置もかなり狭くもあり歪な感じもし、決して良い住環境では無いように思いました。
入口の一角にはイオンをはじめ、ちょっとした専門店の仮設店舗がいくつか立ち並ぶも区域もありました。
このテクノ団地は町の東端にあり、居住地から遠いため、当初は入居辞退者が多数でたそうです。工業団地内の企業が県に土地の無償貸与を申し出、県から打診された同町が約8ヘクタールを借りています。同町の他の団地は30~100戸程度で、テクノ団地の建設戸数は突出して多いです。
大規模な応急仮設住宅を造成して、避難所暮らしから一日も早く抜け出してもらおうとした行政側の狙いが、被災者の意向とかみ合わず、空回りしたのでは無いでしょうか。
元の住まいある被災地では、窃盗の被害も頻繁しているために、自衛の為に通う事の負担が重荷にもなっているとのお話も伺い悲しくなりました。
この団地内には、熊本県の復興モデル住宅「くまもと型復興住宅」の展示場があり、モデル住宅の3棟が整備されています。地元の建設組合や建築士会が中心となって計画された住宅は、いずれもプラン・コストともに良く練られた案ですが、KKNの建物が人気があるようです。