隈本の磯田先生からのご相談がありまして、小川町の相談会に新建福岡支部から伺いました。
一部ご報告の状況を載せています。
①5/14 宇城市小川町
磯田先生の呼びかけで行って参りました。
後ほど詳しいレポートあると思いますが、ポイントは地震で傷んだ古い町屋への対処の在り方でした。宮本さん、左官の矢羽田さん、夢木香松尾さんからの適切なアドバイスを受けて、皆さんのお顔がわずかながらも希望で緩むのが印象的でした。それにしても質の高い素晴らしい町屋群(江戸末期~明治期)です。必ずしも手入れが行き届いてはいなかったようですが、地域復興や若者を吸引するポテンシャルを感じます。
ショックだったことは、宇城市のボランティア派遣の担当者に「これらの建物は古くて危険だからボランティアの派遣は出来ない」と言われた、というお話し。「古い建物を中心に倒壊している」という言い方の報道が、必ずしも真実ではないばかりか貴重な町の財産を失ってしまう危機感を抱きました。
伝統構法の意義が周知されることの重要性を再認識しました。
・・・・余談
宇城市の帰り、薄暗くなりかけていましたが知人の兄さん宅(御船、80歳)を見ました。被災地域に共通の懸念は迫る梅雨です。今日の雨も本当に心配ですが、ブルーシートでも何でもとにかく「梅雨を乗り切る」ための応急処置を専門の方にやってもらう算段をして帰りました。宇城では宮本さん、松尾さんも「瓦と土を落としてでもシートやルーフィングで当面を凌ぐ」アドバイスをされていました。濡れたことでの腐朽菌の急激な増殖が最も気掛かりと。
会員の皆さんもいろいろとアドバイスを求められること多いと思いますが、拙速とならぬよう「時間がかかる」という基本スタンスも必要ではないか感じたしだいです。
大坪克也
5月14日の話し合いには大坪様、宮本様、矢羽田様、松尾様、古川智美様に参加していただき、各住戸へもまわってアドバイスをしていただきました。
町家にお住まいの方々は愛着もあり修復をしたいと思われていると思います。しかし、どのようにすればよいのか?方法とプロセス、費用は?などについてはよく分からないのでは、と思います。
小川町商店街の7か町の中で昭和戦前以前に建てられた建物(目視で調査)は67軒ほどあります。
14日は7軒ほどの方が参加されて、そのうち4軒を見ていただきました。まずはその他の建物の被災状況の把握と持主からお話をきくこと、応急対策と梅雨対策を考えることかと思います。
できるだけ坂田君と磯田でまわりたいと思いますが、支援していただくとありがたいです。具体的な方法はまだはっきり書けませんが。少し動いてみますので。市にも働きかける必要があると思います。
先回、大坪さんや宮本さんのように他県の方が「立派な町家ですね」と言われると、住み手の方は本当に嬉しいのではと思います。小川町商店街に関しては、そのように外からの視線が久しくありません(この2月に柏原邸(新麹屋)が登録文化財になりましたが、まち全体のこととしては捉えられていないのではと思います)。
この震災が、住民の方々とこの小川町のことを真剣に考える「きっかけ」に繋がればと思います。「伝統的な町家やこれらが連なる歴史的な町並は小川町の宝」という「希望」を共有できると、それを目標としてコツコツと復旧、復興作業ができるのではと思います。
磯田